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==基調講演== | ==基調講演== | ||
===<span id="koutaki"> | ===<span id="koutaki">基調講演「画像処理技術を用いた熊本城石垣の修復支援」(上瀧 剛 氏(熊本大学))</span>=== | ||
:講演概要 | :講演概要 | ||
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::「まちライブラリー@A´ワーク創造館」では、人とつながる仕組みづくりの一つとして、書籍貸出システム「Biblio」を開発し活用しています。「Biblio」は当館が実施しているIT系職業訓練の中で開発したもので、その開発経緯においても「人とのつながり」を意識しました。さらに、「Biblio」を利用したいという他のライブラリーとの交流および共同開発、単に貸出・返却を効率化するだけでなく、寄贈した本が新たな交流を生み出すような新たな仕組みづくりにも取り組んでいます。 | ::「まちライブラリー@A´ワーク創造館」では、人とつながる仕組みづくりの一つとして、書籍貸出システム「Biblio」を開発し活用しています。「Biblio」は当館が実施しているIT系職業訓練の中で開発したもので、その開発経緯においても「人とのつながり」を意識しました。さらに、「Biblio」を利用したいという他のライブラリーとの交流および共同開発、単に貸出・返却を効率化するだけでなく、寄贈した本が新たな交流を生み出すような新たな仕組みづくりにも取り組んでいます。 | ||
::今回は、本と人とのつながり、そしてそれを促進するシステムの役割と課題について、これまでの活動を元に私見をお話すると共に、皆さんの考えも色々お聞きしたいと考えております。 | ::今回は、本と人とのつながり、そしてそれを促進するシステムの役割と課題について、これまでの活動を元に私見をお話すると共に、皆さんの考えも色々お聞きしたいと考えております。 | ||
===<span id="koga">「図書館司書資格科目および図書館情報学専門科目でのウェブサイト評価の試み:日本の公立図書館と地方自治体のウェブサイトに焦点を当てて」(古賀崇)</span>=== | ===<span id="koga">「図書館司書資格科目および図書館情報学専門科目でのウェブサイト評価の試み:日本の公立図書館と地方自治体のウェブサイトに焦点を当てて」(古賀崇)</span>=== | ||
::発表者はCode4Lib JAPAN Conference 2014(於:鯖江市図書館)において、「図書館司書課程授業におけるウェブサイト評価の実践の試み」としてライトニングトークを行った。ここでは辞書・事典類に相当するウェブサイトに焦点を当てたが、今回はさらなる教育実践報告として、日本の公立図書館と地方自治体のウェブサイトをめぐる評価について発表し、関係者との関心の共有と議論につなげたい。今回のポイントは、「自治体としての情報発信の責務」への認識である。つまり、自治体として図書館をどのように位置づけているか。また、住民サービスだけでなく、統治・運営に関する情報を、どこまで、どのように発信しているか。さらに、よりよい情報発信のためにどのような課題があるか、といった点を、履修者に認識してもらうことをねらいとして、ウェブサイト評価の課題を行ってきた。この取り組みを通じ、「自治体の財政面での余裕の多寡と、恵まれていない自治体・図書館でも行える工夫」「外部からの調達の実態」「アクセシビリティや外国語発信の徹底度」「自治体としての情報発信の一貫性の程度(例えば広報について)」といった点を、学生が見いだせたのでは、と考えている。つまり、ウェブサイトを注視・分析するだけでも、図書館ないし自治体の運営をめぐる課題が見えてくる、ということである。なお、今回の発表は、天理大学および京都大学における「図書館情報技術論」(図書館司書資格科目)、ならびに同志社大学大学院図書館情報学コースにおける科目「図書館情報学研究(政府情報論)」の授業での実践をもとにしている。また本発表はJSPS科研費JP16K00454による成果の一部である。 | ::発表者はCode4Lib JAPAN Conference 2014(於:鯖江市図書館)において、「図書館司書課程授業におけるウェブサイト評価の実践の試み」としてライトニングトークを行った。ここでは辞書・事典類に相当するウェブサイトに焦点を当てたが、今回はさらなる教育実践報告として、日本の公立図書館と地方自治体のウェブサイトをめぐる評価について発表し、関係者との関心の共有と議論につなげたい。今回のポイントは、「自治体としての情報発信の責務」への認識である。つまり、自治体として図書館をどのように位置づけているか。また、住民サービスだけでなく、統治・運営に関する情報を、どこまで、どのように発信しているか。さらに、よりよい情報発信のためにどのような課題があるか、といった点を、履修者に認識してもらうことをねらいとして、ウェブサイト評価の課題を行ってきた。この取り組みを通じ、「自治体の財政面での余裕の多寡と、恵まれていない自治体・図書館でも行える工夫」「外部からの調達の実態」「アクセシビリティや外国語発信の徹底度」「自治体としての情報発信の一貫性の程度(例えば広報について)」といった点を、学生が見いだせたのでは、と考えている。つまり、ウェブサイトを注視・分析するだけでも、図書館ないし自治体の運営をめぐる課題が見えてくる、ということである。なお、今回の発表は、天理大学および京都大学における「図書館情報技術論」(図書館司書資格科目)、ならびに同志社大学大学院図書館情報学コースにおける科目「図書館情報学研究(政府情報論)」の授業での実践をもとにしている。また本発表はJSPS科研費JP16K00454による成果の一部である。 | ||
===<span id="hayashi">「CMSを利用したWebサイトの構造化の検討」(林賢紀)</span>=== | ===<span id="hayashi">「CMSを利用したWebサイトの構造化の検討」(林賢紀)</span>=== | ||
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::政府等が保有する公共データを機械判読可能な形式で公開することなどを基本原則とした「電子行政オープンデータ戦略」の取りまとめ以降、政府・自治体においてオープンデータの公開や利活用の取り組みが進められている。 | ::政府等が保有する公共データを機械判読可能な形式で公開することなどを基本原則とした「電子行政オープンデータ戦略」の取りまとめ以降、政府・自治体においてオープンデータの公開や利活用の取り組みが進められている。 | ||
::そこで、本発表においては、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター公式Webサイトで提供されている情報について、CMSの一つであるDrupalの機能を活用することで掲載されている情報の構造化を行った事例を通じ、オープンデータとして公開するための情報基盤の整備について検討したい。 | ::そこで、本発表においては、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター公式Webサイトで提供されている情報について、CMSの一つであるDrupalの機能を活用することで掲載されている情報の構造化を行った事例を通じ、オープンデータとして公開するための情報基盤の整備について検討したい。 | ||
===<span id="egusa_takaku"> | ===<span id="egusa_takaku">「教科書LOD -- お手軽、お安く、持続可能な書誌情報公開の秘訣 --」(江草由佳、高久雅生)</span>=== | ||
::発表者らはLODチャレンジ2016において、「教科書LOD」を発表し、教育テーマ省を受賞した。教科書についての書誌情報を簡単に、安価(無料)で、LODとして公開する方法について、著者らが実践した方法についてのノウハウを紹介する。書誌データを作成している図書館との連携、使用したツールの紹介、ちょっとした工夫で実現できる方針や心得など。 | ::発表者らはLODチャレンジ2016において、「教科書LOD」を発表し、教育テーマ省を受賞した。教科書についての書誌情報を簡単に、安価(無料)で、LODとして公開する方法について、著者らが実践した方法についてのノウハウを紹介する。書誌データを作成している図書館との連携、使用したツールの紹介、ちょっとした工夫で実現できる方針や心得など。 | ||
===<span id="kiyota">「論文執筆の環境をめぐる最新の状況と、学会の査読・編集システムを持続可能とするための方策の検討」(清田陽司)</span>=== | ===<span id="kiyota">「論文執筆の環境をめぐる最新の状況と、学会の査読・編集システムを持続可能とするための方策の検討」(清田陽司)</span>=== | ||
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::オープンアクセスジャーナル、機関リポジトリ、プレプリントサーバーなど、学術論文流通のプラットフォームが激変していることは周知の事実であるが、一方で研究者が利用する論文の執筆環境も急激に変化している。OverLeafなどの共同執筆ツールや、Mendeleyなどの文献管理ツールなど、使い勝手の良いツールが普及し、論文の書き方も大きく変わりつつある。一方で、流通する論文の品質を担保する各学会の査読システムや出版システムは、その変化に追随できておらず、編集委員や査読者、執筆者に大きな負担がかかっているように思われる。 | ::オープンアクセスジャーナル、機関リポジトリ、プレプリントサーバーなど、学術論文流通のプラットフォームが激変していることは周知の事実であるが、一方で研究者が利用する論文の執筆環境も急激に変化している。OverLeafなどの共同執筆ツールや、Mendeleyなどの文献管理ツールなど、使い勝手の良いツールが普及し、論文の書き方も大きく変わりつつある。一方で、流通する論文の品質を担保する各学会の査読システムや出版システムは、その変化に追随できておらず、編集委員や査読者、執筆者に大きな負担がかかっているように思われる。 | ||
::本発表では、こうした状況を俯瞰した上で、学会運営を持続可能な形にするための方策についての検討を示し、参加者の方々との議論を行いたい。 | ::本発表では、こうした状況を俯瞰した上で、学会運営を持続可能な形にするための方策についての検討を示し、参加者の方々との議論を行いたい。 | ||
===<span id="sakaguchi">「Webシステムのためのエンドユーザ向け公開鍵認証機能の開発」(阪口哲男)</span>=== | ===<span id="sakaguchi">「Webシステムのためのエンドユーザ向け公開鍵認証機能の開発」(阪口哲男)</span>=== | ||
::近年、企業や図書館等の様々なサービスがWebシステムを用いて提供されている。それらのシステムではユーザ認証方式としてパスワード認証を用いていることが多い。そこでは、パスワードに推定しやすい文字列を使って不正アクセスの被害にあうことや、複数のサービスでの同一パスワードの使い回しによるパスワード漏洩時の被害拡大が大きな問題となっている。対策として一部のサービス等ではパスワードに加えて、ユーザの所有する端末に紐付けるなどの2要素認証を採用する事例も増えているが、ユーザの操作が煩雑になる上、対応端末を持たない場合には使えず、サービス側にもコストがかかる。本発表ではパスワード認証方式の代替として使用可能な公開鍵認証方式をWebシステムのエンドユーザ向けに導入することを提案する。パスワードを使用しないため、パスワード認証方式の問題を避け、2要素認証よりも煩雑さを抑えることができる。発表者の研究室では、一般的なWebブラウザ以外の特別なソフトウェア等をユーザ環境に要求せずに、公開鍵認証が可能であることを試作システムで既に確認済みである。次の段階として、様々なWebシステムに組み込むためのライブラリ構築を進め、認証プロセスの明確化によって他者による開発も可能にするなどの今後の展開について議論を進めたい。 | ::近年、企業や図書館等の様々なサービスがWebシステムを用いて提供されている。それらのシステムではユーザ認証方式としてパスワード認証を用いていることが多い。そこでは、パスワードに推定しやすい文字列を使って不正アクセスの被害にあうことや、複数のサービスでの同一パスワードの使い回しによるパスワード漏洩時の被害拡大が大きな問題となっている。対策として一部のサービス等ではパスワードに加えて、ユーザの所有する端末に紐付けるなどの2要素認証を採用する事例も増えているが、ユーザの操作が煩雑になる上、対応端末を持たない場合には使えず、サービス側にもコストがかかる。本発表ではパスワード認証方式の代替として使用可能な公開鍵認証方式をWebシステムのエンドユーザ向けに導入することを提案する。パスワードを使用しないため、パスワード認証方式の問題を避け、2要素認証よりも煩雑さを抑えることができる。発表者の研究室では、一般的なWebブラウザ以外の特別なソフトウェア等をユーザ環境に要求せずに、公開鍵認証が可能であることを試作システムで既に確認済みである。次の段階として、様々なWebシステムに組み込むためのライブラリ構築を進め、認証プロセスの明確化によって他者による開発も可能にするなどの今後の展開について議論を進めたい。 | ||
===<span id="mimizuka">「PHPで作った電子ジャーナルダウンロード数自動取得システム(プロト版)の紹介」(耳塚良史)</span>=== | ===<span id="mimizuka">「PHPで作った電子ジャーナルダウンロード数自動取得システム(プロト版)の紹介」(耳塚良史)</span>=== | ||
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::分類体系やLOD、国内外の調査担当者により情報の信頼性を維持。地図情報や阻害要因、壁、解消法なども公開。当日はサービスの今後の予定と概要を説明する。 | ::分類体系やLOD、国内外の調査担当者により情報の信頼性を維持。地図情報や阻害要因、壁、解消法なども公開。当日はサービスの今後の予定と概要を説明する。 | ||
===<span id="komura"> | ===<span id="komura">「開催報告:大図研オープンカレッジ「Linked Open Data を体験〜書誌・所蔵データは宝の山!〜」」(小村愛美)</span>=== | ||
::6月18日に開催した大図研オープンカレッジ「Linked Open Data を体験〜書誌・所蔵データは宝の山!〜」の開催報告を行う。 | ::6月18日に開催した大図研オープンカレッジ「Linked Open Data を体験〜書誌・所蔵データは宝の山!〜」の開催報告を行う。 | ||
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::以上の認識のもと、図書館員がLODについて知る機会を増やしたいと考え、オープンカレッジのテーマにLODを選択した。 | ::以上の認識のもと、図書館員がLODについて知る機会を増やしたいと考え、オープンカレッジのテーマにLODを選択した。 | ||
::主なターゲットは「LODを聞いたことはあるが深くは知らない」という図書館員のため、どのようなプログラム・講師を選べば良いのか、企画段階では苦心した。想定スケジュールよりも準備が遅れたが、無事開催にこぎつけ、盛会のうちに終えることができた。発表には、企画段階の意図・プログラム内容の選択・参加者アンケートから読み取れた反応等を盛りこみたい。 | ::主なターゲットは「LODを聞いたことはあるが深くは知らない」という図書館員のため、どのようなプログラム・講師を選べば良いのか、企画段階では苦心した。想定スケジュールよりも準備が遅れたが、無事開催にこぎつけ、盛会のうちに終えることができた。発表には、企画段階の意図・プログラム内容の選択・参加者アンケートから読み取れた反応等を盛りこみたい。 | ||