C4ljp2018/presentation

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2018年8月6日 (月) 21:13時点におけるNakamura (トーク | 投稿記録)による版
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基調講演

「データ教育の出番! 2020年度からはじまる小中高の情報教育」(兼宗 進 氏(大阪電気通信大学))

講演概要
10年ごとに教育課程の改訂が予定されている。小学校からのプログラミングの必修化が注目されているが、データ活用も大きなテーマになっている。算数と数学では統計的なデータが扱われ、高校では必履修の情報Iでデータベースが、選択の情報IIでデータサイエンスと(データベースを活用した)情報システムのプログラミングが扱われる予定である。本発表ではこれらの教育課程を概観し、図書館を含むデータ活用の重要性と教育の可能性を議論したい。
講演者紹介
準備中

「寺社資料の電子化・共有による新たな研究の展望と課題」(渡邉 匡一 氏(信州大学))

講演概要
日本各地の寺社に所蔵される典籍(本や文書等)は、未だに調査・研究がされていない状況にある。本発表では、福島県、長野県、香川県での調査・研究を具体例に、寺社資料の情報が電子化・共有されることによって可能となる研究の展望と課題について考える。
講演者紹介
1962年 東京生れ
1998年 早稲田大学大学院 修了
1998年 いわき明星大学 助手
2002年 信州大学人文学部 助教授
2004年 国文学研究資料館 客員助教授(併任)(平成2006年3月まで)
2013年 信州大学人文学部 教授
2015年 信州大学 副学長(学術情報担当)、附属図書館長
2017年 大学史資料センター長兼務
参考
https://www.shinshu-u.ac.jp/guidance/philosophy/board/watanabe/
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040306098/


発表採択リスト(11件)

「 LODを活用した外部リソースと連携可能なWebサイトの構築」(林賢紀)

Linked Open Data(LOD)により、DBpediaをはじめ多くの情報資源が機械可読形式で公開されており、これらを利用して新たな情報資源を作る試みも各所でなされている。
そこで、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター公式Webサイトにおいては、CMSとして利用しているDrupalの機能を拡張しDBpediaおよびGBIFで公開されている情報をAPIにより取り込むことを可能とした。このような、自サイトの情報を拡張して提供する事例を通じ、情報資源同士の効率的な連携方法について検討したい。

「 小倉百人一首LOD~図書館のオープンデータを活用する~」(高橋菜奈子)

 小倉百人一首の情報をLinked Open Data (LOD)のデータセットとして公開した小倉百人一首LODについて紹介する。近年、図書館が所蔵する古典籍画像にオープンなライセンスを付与されて公開されている。小倉百人一首の画像も刊本・写本・錦絵・書道など様々な形態の画像がいくつかの図書館から公開されている。各図書館が単体で提供しているオープンデータをリンクすることによって、LODの有効性を示し、オープンデータの活用例を示すことが狙いである。
 データ作成にあたって、かるたのLODは世界的にも事例がないため、かるたに特有の語彙は独自定義を用い、データモデルを設計した。和歌ごとにリソースを設定し、歌人については別リソースとして、和歌から歌人にリンクする形を基本とした。加えて、各地の図書館等で所蔵する古典籍のデータとかるたの情報とのリンクを形成している。
 和歌のデータには、読札・取札のテキストと画像、上の句・下の句・決まり字、坊主めくり用の区分といったゲームに必要な情報や、歌枕の緯度・経度等の付加的な情報を加えた。歌人のデータは、基本情報として漢字表記・ヨミ・ローマ字表記・英語翻訳名を持ち、人物に関する詳細な情報は、DBPedia、NDL Authoritiesにリンクすることによって、外部リソースにゆだねた。各地の図書館等で所蔵する古典籍のデータは、画像のURLと翻刻のデータを作成した。なお、複数のかるたが含まれている画像については、IIIFの技術を使って、画像の一部を切り出す改善を行っている。
 LinkDataを公開プラットフォームとして使い、ソースの種類ごとにテーブルをわけて複数のデータセットを組み合わせることによって、次々とデータがリンクする小倉百人一首LODの全体を実現している。
参考:http://idea.linkdata.org/idea/idea1s2398i

「 人と人、人と情報、人と地域を繋げていくためのオープンデータの利活用をめざして」(澤谷晃子)

大阪市立図書館は、2017年3月2日に当館デジタルアーカイブ画像の一部をオープンデータとして提供を開始した。公共図書館では初の試みであり、新聞等に取り上げられるなどの反響があった。大阪市立図書館ではオープンデータ開始後も、資料展示、画像の人気投票、オープンデータ画像検索・加工講座の開催など、継続して実施している。また、機会を見つけて当館オープンデータに興味がありそうな方と接触することで、活用の可能性の幅が広がってきた。
今回の発表では、当館のオープンデータ利活用に向けた取組と、図書館以外の方と繋がって実施できた取組等を私見も交えてご報告させていただき、今後の展開については、会場の皆さんからもご意見を頂戴したい。

「物語る楽しみが子どもを育てる~デジタルメディアを「創る」の支援に~」(朝倉民枝)

紙/デジタル絵本を作成するアプリ「ピッケのつくるえほん」を開発し、子どもが物語をつくり語る活動の支援を始めて、10年になる。プラットフォームについては、当初はパソコンソフト(Flash AIR)、次にFacebookアプリ、現在はiPadアプリと変遷したものの、目的や仕様は同一である。登場キャラクタや世界観は、2002年よりインタラクティブ絵本として公開しているWebサイト「ピッケのおうち」を継承している。
子どもにとって、絵本を読んでもらうことは楽しみである。想像の世界にあそび自ら物語をつくり語ることもまた、大きな喜びをもたらす。本アプリでは、画材を未だうまく扱えない、あるいは文字を未だ知らない幼児であっても、あらかじめ用意された絵素材の配置や発話によって、絵本を完成することができる。顔表情を選択し、インタラクティブにポーズを変えながらの作話は、発想を促す。ワークショップで4歳児が絵本を完成させることに、子ども本人や親が驚く。デジタルメディアは、「創る」への敷居を下げ「創る」をエンパワーする。
家庭、学校などの教育機関、地域社会。これらが緩やかにつながった多様な社会全体で、子どもを育てたい。図書館は、その3つともにまたがる場であり、情報が行き交う地域のコミュニティとして、これからますます重要な役割を担うであろう。その図書館で、言葉と物語の創る活動が、日常的に行われることを望む。
発表では、物語づくり活動の目的と概要、そのためのアプリデザイン、活用事例、子どもの作品例などを紹介する。

「リサーチ・アドミニストレーターによるデータ分析コミュニティCode for RAと図書館との関わり」(平井克之、上坂明子、堤良恵)

リサーチ・アドミニストレーター(URA)は、研究が活発になるための仕組みを考え、大学の執行部とともに、施策に落とし込む仕事をしています。大学によってURAに求められるミッションは異なる部分もあるのですが、そういったことが期待されている大学が多いと認識しています。具体的な業務としては、プレアワードやポストアワード、異分野融合研究や国際共同研究の推進など多岐にわたりますが、研究推進に関するデータ分析もその一つです。
全国各地に散らばるURAが競うべきものは、研究が活発になるための仕組みを考える部分であって、誰がやっても差が出ないような定型的な分析では協力できればと考えています。実際、書誌データベースや科研費データベースなど、分析に用いる学術情報はほとんど同じです。そこで、データ分析のノウハウ共有や共同でのツール開発を行うためにCode for Research Administration (Code for RAまたはC4RA)というコミュニティを立ち上げ、Slackでの情報共有、ウェブサイト(*1)からの情報発信、GitHub(*2)でのコード共有を始めました。
大学図書館は長い歴史の中で、学術情報の流通を軸に、研究活動を支える役割を担ってきました。一方で、URAという新しい職種は、いまだ定着したとは言えず、URAがこれからどんな「価値」を生み出すかにかかっていると考えています。本発表では、URAとライブラリアンが、それぞれ求められる役割を認識しつつも、大学等での研究を活発にしていくためにどのような協力が可能なのか、学術情報をキーワードに議論できればと考えています。
(*1) Code for RAホームページ https://sites.google.com/view/c4ra/
(*2) Code for RAのGitHubアカウント https://github.com/c4ra


「NPO法人地域資料デジタル化研究会がオープンソースの次世代型デジタルリポジトリシステム Hyku の導入と運用のためのプロジェクトを立ち上げます。」(丸山高弘)

NPO法人地域資料デジタル化研究会がオープンソースの次世代型デジタルリポジトリシステム Hyku の導入と運用のためのプロジェクトを立ち上げます。Hykuシステムの概要説明、プロジェクト内容、ゴールについてを説明し、そのためのプロジェクトチームへの参加者を募集します。Hykuを運用するサーバの構築、運用ノウハウの蓄積(ドキュメントの日本語化を含む)、Hykuの日本語対応、AWSでの運用ノウハウの蓄積などに、興味関心がある方を広く募集する予定です。

「背を撮影できる書影撮影デバイスの開発」(Ryuuji Yoshimoto)

2013年のcode4libカンファレンスで発表した「カーリルブックスキャナ 」では、撮影手法や品質について多くの課題が残った。しかし、棚画像からの蔵書の自動認識や、VR技術による図書館体験の提供など「本の背」画像のニーズはますます高まっている。このような中でカーリルでは、2013年の発表後さらに3回の試作機開発を進めてきた。高速で安定して動作する実用的な書影撮影スキャナの実現方法について発表する。

「検索可能なopenBD APIの実装」(幸谷智紀)

日々更新されるopenBD APIの書誌データの活用のためには,検索可能な形でユーザに提供される必要がある。我々はopenBDの書誌データをMySQLで検索できるように加工し,Web APIとしても利用できる「openBD Search API」を実装した。また,このAPIを活用した簡易な検索UIも構築している。本発表では,openBD Search APIの概要と利用方法について述べる。

「Omekaを用いたデジタルコレクションの公開と活用:東京大学デジタルアーカイブズ構築事業における構築事例」(中村覚)

 東京大学では附属図書館と情報基盤センターが中心となり、学内の多様な学術資産のデジタルアーカイブ化を行い、その公開と利活用を支援する「東京大学デジタルアーカイブズ構築事業」を2017年から実施している。本事業の具体的な取り組み内容として、①学内における学術資産のデジタル化とオープンデータ化の促進、②公開システムを持たない部局に対する学術資産の公開支援、および③学内の学術資産を横断して検索するためのポータルシステムの構築を行っている。
 特に②の公開支援においては、支援が必要な部局から画像やメタデータを受け取り、公開サイトの構築までを担うサービスを提供している。ソフトウェアとして、デジタルコレクションを構築するためのオープンソースソフトウェアであるOmekaを使用し、複数部局のデジタルアーカイブの公開を行なっている。さらに、単なる学術資産の公開に留まらず、第三者や計算機による公開データの利活用を支援することを目的として、各種国際・標準規格の導入を進めている。具体的には、機械可読な形式で情報を公開するための仕組みであるLOD(Linked Open Data)、画像の公開・共有のための国際規格であるIIIF(International Image Interoperability Framework)準拠の画像、および人文学資料のマークアップのためのガイドラインであるTEI(Text Encoding Initiative)に従って作成したテキストデータを公開している。
 本報告では、Omekaを用いたデジタルコレクションの構築事例と、LODやIIIF、TEIを用いた学術資産の活用事例について述べる。

「移行しやすく使いやすいデジタルコレクション公開サイト構築の試み --教育図書館貴重書デジタルコレクション公開準備の経験から--」(江草由佳)

2018年9月に公開を予定している「国立教育政策研究所教育図書館貴重書デジタルコレクション(仮称)」の公開準備に携わった経験から、移行しやすく使いやすいデジタルコレクションデジタルコレクション公開サイトの構築について報告する。
このデジタルコレクションは、教育図書館が所蔵する対象資料数:79点、総コマ数5692コマ(フルカラー、360ppi程度)、総容量約42GBの写真コレクションである。
デジタルコレクションは、移行がうまくできずに、死蔵されたり、消えてしまったりする問題がある。本報告では、それを避ける方法について実践したことについて報告する。
方法は、フォルダごと別のWebサーバへコピーするだけで別のWebサーバーに移行できるようすることを検討した。具体的には、HTML+CSS+JavaScriptだけで作成した静的なサイトとし、Webサーバー側にphpやrubyなどのWebサーバー以外の特別な環境を必要とせず、かつ、ウェブブラウザ側にもビューアーのプラグインインストールなど必要としないようにした。
使いやすさについて工夫した点も紹介する。一例をあげると、現在、JavaScriptで動くビューアーに使いやすいものがあり(viewer.js)、画像を閲覧する際に、ブラウザ上で、ズームや回転などが直感的に行え、ストレスなく画像を閲覧できる。IIIFを導入できない状況下であっても、少しの工夫で、利用者に使いやすデジタルコレクションの提供が可能であることを紹介したい。
また、デジタルコレクションを公開準備する際に、やっておくと良いと考えたもの、便利なツールなどの紹介もできたらと思う。

「VuFindを使った資料・事・人をシームレスに発見するサービスの試み」(杉山智章)

オープンソースのディスカバリー・サービスであるVuFindを使用して提供している統合検索サービス「静大図書館UniFind」について報告する。静大OPACや静岡大学学術リポジトリをはじめ、シラバス授業科目とその参考書、学生用選定図書、教員・研究者情報などのさまざまなデータソースからメタデータをOAI-PMHによりハーベストして、検索を可能にしたシステムである。
「静大図書館UniFind」のUniはラテン語の”1つの”に由来し、”University”や”Unique”の意味を合わせ持っている。ディスカバリー・サービスの元々の機能は、図書館の所蔵資料や機関リポジトリなどの電子資料を統合して検索できるようにしたものであるが、「静大図書館UniFind」では、学内の授業科目(事の情報)や教員・研究者(人の情報)もMARC21フォーマットでのメタデータ交換を行うことで、学習・研究のための様々な情報をシームレスに発見できることを目指している。
なお、VuFindは日本語をはじめ20以上の言語に対応しており、言語表示の切り替えは設定ファイルの変更により行うことが可能である。しかし、VuFindの持つ特徴的な機能を日本語環境で動作させるには、調整作業が必要になる箇所がある。それらの留意点についても報告したい。

ライトニングトーク(X件)

準備中