「C4ljp2020/presentation」の版間の差分
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::図書館の蔵書検索システムにおいて、SolrやElasticsearchなどのLuceneベースの全文検索エンジンが採用されることが増えています。 | ::図書館の蔵書検索システムにおいて、SolrやElasticsearchなどのLuceneベースの全文検索エンジンが採用されることが増えています。 | ||
::カーリルでは、「COVID-19 : 学校図書館支援プログラム」において学校図書館向けの簡易的な検索サービスの提供を開始するために、蔵書検索サービスの立ち上げに取り組みました。このセッションでは、業務レベルの蔵書検索に耐える信頼できる蔵書検索サービスを構築するための基本的なインデックスとスコアリング戦略を検討します。 | ::カーリルでは、「COVID-19 : 学校図書館支援プログラム」において学校図書館向けの簡易的な検索サービスの提供を開始するために、蔵書検索サービスの立ち上げに取り組みました。このセッションでは、業務レベルの蔵書検索に耐える信頼できる蔵書検索サービスを構築するための基本的なインデックスとスコアリング戦略を検討します。 | ||
::発表資料 : https://drive.google.com/file/d/1GRchwDVbcOz3k2pRrH83AozsKbZeU0Ih/view?usp=sharing | |||
発表資料 : https://drive.google.com/file/d/1GRchwDVbcOz3k2pRrH83AozsKbZeU0Ih/view?usp=sharing | |||
===<span id="p06">「軽量Linked Open Data公開ワークフロー: Poorman's ToolkitからXlsx2Shapesまで」(高久雅生)</span>=== | ===<span id="p06">「軽量Linked Open Data公開ワークフロー: Poorman's ToolkitからXlsx2Shapesまで」(高久雅生)</span>=== |
2020年6月20日 (土) 09:06時点における版
基調講演
「みんなで翻刻 」(橋本雄太氏(国立歴史民俗博物館 助教))
- 講演概要
- 『みんなで翻刻』は、歴史災害史料を多数の市民の力でテキスト化し、地震研究や防災研究に役立てようという趣旨の参加型プロジェクトです。2017年のプロジェクト開始後、6,000人を超える方々に参加頂き、600万文字以上の古文書が参加者の手によって翻刻されました。この報告では、『みんなで翻刻』のシステムを紹介するとともに、市民参加型のシステムを運営する中で私が得た知見を共有します。
- 講演者紹介
- 橋本雄太氏(国立歴史民俗博物館 助教)
- 追記予定
「〈弱いロボット〉研究のめざすもの ― コミュニケーションに対する関係論的なアプローチ」(岡田美智男氏(豊橋技術科学大学 教授))
- 講演概要
- 伝えようとしてもなかなか伝わらない….その一方で,伝えようとしなくとも伝わってしまう! ということも.これはどういうことなのでしょう.本講演では,子どもたちの手助けを引き出しながらゴミを拾い集めてしまう〈ゴミ箱ロボット〉,モジモジしながらティッシュをくばろうとする〈アイ・ボーンズ〉,昔ばなしを語り聞かせようとするも,時々大切な言葉を物忘れしてしまう〈トーキング・ボーンズ〉など,〈弱いロボット〉たちとのかかわりを手掛かりに,「弱さ」や「不完結さ」から生まれる豊かなコミュニケーションについて考えます.
- 講演者紹介
- 岡田美智男氏(豊橋技術科学大学 教授)
- 追記予定
発表採択リスト(8件)
「多面的・多角的な視座を育むためのデジタルアーカイブを活用した学習環境デザイン 〜ジャパンサーチの教育活用〜」(大井将生)
- 情報化の進展による大きな社会の変化を受け、教育の変革が世界的に求められている。日本でもそうした背景から議論が重ねられ学習指導要領が改訂された。2020年度から本格実施される新学習指要領では、「多面的・多角的に考える力」や「膨大な情報から必要なことを判断し、自ら問いを立てる力」等が重要であるとされ、そうした力を育むために図書館・博物館等の更なる活用が推奨されている。しかし、図書館・博物館等の教育利用は未だに深化しているとは言い難い。そこで本研究では、教育現場とMLAアーカイブ群の狭間にある問題を明らかにし、多面的・多角的な視座を育むためのデジタルアーカイブ資料群の教育利用を推進する学習環境をデザインする。そのための手法としてジャパンサーチを活用し、小・中・高校で授業実践を行い児童生徒の認識変容を分析する。ジャパンサーチの活用を通して、児童・生徒自らが探求的に資料を集め、複数の資料から問いを立てることで、多面的・多角的な考え方ができるようになると予想する。こうした学習によって、セレンディピティが教育現場で創出され、豊かで多様な学びが実現できるのではないだろうか。長期的には通年カリキュラムに合わせたジャパンサーチ活用実践を断続的に行い、【教育に特化したメタデータを付与したアーカイブ】を構築することでMLA資料を教育現場で有機的に活用し、資料の価値を高めることを目指す。こうした一連の取り組みによって貴重なMLA資料が児童生徒の考えや思いとともに未来に継承され、未来を担う子どもたちの豊かな学びの一助になると考える。発表では筆者がこれまでに行ってきたジャパンサーチを活用したワークショップや、NDL職員と協議の上で新たしく仮実装していただいた機能、そして2020年2月に行った小・中・高校でのジャパンサーチ活用授業実践、2020年4月から行う小・中・高校での長期授業実践について報告する。
「 外国人児童を対象にした物語づくり活動の可能性」(伊藤孝良)
- 概要)2018年より地域NPOや豊橋市図書館との連携により、豊橋市内2団地集会所、放課後子ども教室において、主に外国人児童を対象にiPadアプリ「ピッケのつくるえほん」活用したデジタル&製本の絵本づくりWSを延べ40回程度定点開催してきた。WSの成果・課題についての発表を行う。
- 背景)豊橋市は外国人16,000人が暮らす集住都市であり、公立小中学校には外国人児童生徒数1,640人(H29年度)が在籍する。これは全児童生徒の5.1%にのぼり、さらに集合住宅を有する外国人集住校区では20%を超える学校も存在している。彼らの中には日本語力の不足により本領を発揮できないために、成績も級友からの評価も低くなりがちで、自己肯定感や学びへの意欲を持てず、将来像を思い描けない若年者が存在する。
- 目的)外国人児童が、自己肯定感や将来への希望を持って意欲的に学び、社会参画できる循環をつくる。日本語・母語が中途半端な弱点を、バイリンガルで強みとして生きる糧を身に付ける。
- 成果)学校以外の場で、創作活動として実践的に日本語を使うことは、子どもにとって楽しい学びとなる。月1回程度のWSを心待ちにする子どもが存在し、学校での学びと、相互補完する両輪となっている。 母国学校に通い日本語には接してなかった児童が、翻訳してもらった日本語での録音を行うまで、日本語に親しんだ。 何より児童が外向けの発表することは、自己肯定感を育んでいる。
- 課題)多くの児童が、学校では日本語を、家庭では母語を使用しており、両方の言語力が不足しがちである。来日時期の年齢が上がるほど日本語の習得が難しくなっている。しかし、家庭では母語のみでも、我が子の日本語の上達を喜ぶ保護者である場合は、子どもの日本語力が伸びやすい。保護者の意識が重要である。 また、WSに日本語を解さない児童が参加するとき、母語のできるファシリテータは不可欠であるが、人材発掘が難しい。
「デジタル・アーカイブに肉声を聴く ー「NHKアーカイブス」を活用した占領期ラジオ史研究の事例からー」(太田奈名子)
- 本発表は、「NHKアーカイブス」というデジタル・アーカイブの活用法、特に、占領期における日本のラジオ史を対象とした学術研究の事例報告を行うことを目的とする。
- 「NHKアーカイブス」は、放送・映像資料を保管する施設として2003年に埼玉県川口市に設立され、100万本近くの放送・映像コンテンツと関連資料を所蔵している。NHKは、資料を学術関係者に公開する「NHK番組アーカイブス学術利用トライアル」を実施したり、一部資料のダイジェストをオンラインで公開したりするなど、「NHKアーカイブス」の存在の周知、同時にその活用法の模索を続けている。
- 本発表では、前半で、誰でも簡単に自宅からオンラインで利用できる「NHKアーカイブス」を紹介し、後半で、占領期ラジオ史を扱う博士論文執筆のため「NHK番組アーカイブス学術利用トライアル」の支援を2度にわたり受けた発表者のアーカイブス利用体験を報告する。後半では、GHQから制作指導を受けてNHKが放送した『街頭録音』という番組に光を当てる。身体性を伴わないデジタル空間に構築されたアーカイブから占領下の人々の肉声を聴くという行為の意味を、占領史研究という学術的コンテクスト、さらに、コロナ禍の只中で人との接触が阻まれる現状という社会的コンテクストに落とし込んで論じる。
- 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在多くの図書館が休館・閉館に追いやられている。本発表は、図書館というテーマと直接的関わりはない。しかしながら、「NHKアーカイブス」という一コンテンツの活用事例の報告を通じて、既存の図書館システム・サービスに示唆を与えるものになると考える。
「(仮)やってみよう!リモートユーザーテスト」(白石啓)
- ユーザーテストとは、Webサイトやソフトウェア、製品などの使いやすさ、使い勝手を実際にユーザーに試してもらうことによって、問題点や改善点を見つけるための手法です。実際にユーザーが使用している様子を観察し、使ってみてどう感じたかを質問して確認することで、Webサイトやソフトウェア、製品の課題を「狭く、深く」把握することが可能です。
- 図書館によっては、図書館のWebサービス(サイト、デジタルアーカイブ、OPACなど)について、ユーザーアンケートやアクセスログ解析などの定量的な手法を用いて、ユーザーの課題や要望を把握しようと取り組んでいる図書館もあるかと思います。しかし、こういった定量的な手法では、表層的な要望しか把握できない、「なぜ課題なのか」「どうすれば改善できるのか」について把握することが難しいため、ユーザーテストのような定性的な手法を組み合わせることで、より効果的に課題を把握し、改善していくことができます。
- この発表では、Zoomを用いてリモート環境でユーザーテストを行う手法について紹介します。また、許諾が得られれば、発表者が実際に担当した、学術情報データベースにおけるユーザーテストの事例も併せて紹介する予定です。
- この発表を通してリモートユーザーテストという手法をより身近に感じていただき、Webサービスの改善にお役立ていただけたら嬉しいです。
「OPACのための汎用的なインデックスとスコアリング戦略」(吉本龍司)
- 図書館の蔵書検索システムにおいて、SolrやElasticsearchなどのLuceneベースの全文検索エンジンが採用されることが増えています。
- カーリルでは、「COVID-19 : 学校図書館支援プログラム」において学校図書館向けの簡易的な検索サービスの提供を開始するために、蔵書検索サービスの立ち上げに取り組みました。このセッションでは、業務レベルの蔵書検索に耐える信頼できる蔵書検索サービスを構築するための基本的なインデックスとスコアリング戦略を検討します。
- 発表資料 : https://drive.google.com/file/d/1GRchwDVbcOz3k2pRrH83AozsKbZeU0Ih/view?usp=sharing
「軽量Linked Open Data公開ワークフロー: Poorman's ToolkitからXlsx2Shapesまで」(高久雅生)
- 直近4年間、専門図書館蔵書コレクション約7500タイトルを対象とする教科書Linked Open Data (LOD)の公開と継続的な更新を通じて開発してきた、LODデータセットの公開用ツール群とワークフローの全体像を紹介する。MLA機関による小中規模のコレクションに対応するメタデータ公開を簡易に行うための独自の方法論として、以下のような複数の簡易ツールを組み合わせるワークフローを提案する。1) Poorman’s ToolkitによるExcelからRDF/Turtleへの変換、2) ttl2htmlによる静的な公開データサイト構築、3) Github Pagesを通じたLODデータ公開、4) xlsx2shapesを使ったアプリケーションプロファイルの検証と公開。
- あわせて、MLA機関が持つ情報をLODデータセットとして構築し公開することの意義を議論したい。
- なお、過去の既発表『情報の科学と技術』(2018.7, 2020.4)、Code4Lib JAPANカンファレンス2018, 2019のライトニングトークで個別のツールを紹介しましたが、全体像の紹介は本発表が初めてとなる予定です。
「学校図書館の挑戦~緊急事態宣言下の在宅プロジェクトマネジメント」(中野ひかる)
- システムの設備や環境が著しく乏しい学校図書館にて、緊急事態宣言による学内施設の閉鎖および構内立ち入り禁止下においても、グループウェアを駆使することによって無事に雇用維持できた事例を発表する。2015年度に文部科学省よりスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受けた本校は、高い国際通用性を有するレジリエンスに富むグローバルリーダーを高等学校段階から育成するという目的で指導を行ってきたが、その学習の集大成として生徒は8,000字の論文の執筆を課される。SGH指定校の成果発信は文科省の要請のひとつであるが、本校では一般的によくみられる紙媒体の論文集として発行するのではなく、デジタルアーカイブ化を念頭におき、生徒はクラウド上に論文提出を行うよう指導を受けてきた。そのベースをもとに従来から構想下にあったリポジトリプロジェクトを緊急事態宣言直後からすぐに在宅ワークとして始動させ、スプレッドシート共同編集、MARCEditを使ったMARCレコード作成、そしてOPAC流し込みまで在宅で行えるようマネジメントした結果、本校のSGH論文の全文PDFがOPACから検索そして閲覧できるようになった。クライアントサーバ型のシステムにアクセスしないと作業できないルーチンのみTeamViewerを導入したが、プロジェクトベースの業務にすぐに移行したことでほぼルーチンに頼らず、上記結果を出すことができた。また、本校における学校司書の雇用形態が、教員である司書教諭の直接指揮下においても法的に問題がなかったことが成功要因のひとつであると思料されることにも言及し、オンラインワークが可能でない学校図書館の現状も多角的に考察したい。
「ICTツールを活用した、COVID-19の影響による図書館の動向調査の取り組み」(常川真央)
- COVID-19の感染が拡大して以来、全国の多くの公共図書館が市民にサービスを提供することが困難な状況になっている。4月9日に株式会社カーリルは、全国の公共図書館のCOVID-19への対応状況を把握するために、独自に図書館ウェブサイトの公開情報を集約し、目視で調査した結果を発表した。これにより、初期の図書館の休館状況は可視化されたが、事態は日を追うごとに深刻化していることから、多くの人々の協力による継続的に調査を行う必要が生じた。
- そこで、saveMLAKコミュニティは、covid-19-libdataチームを発足してカーリルの調査を引き継ぎ、全国の休館状況を探るための継続的な調査を実施している。5月初旬時点で3回に渡る調査を実施し、調査協力者は累計で70名を超えている。物理的に集まることができない状況であり、かつ急速に調査を実施する必要があるという背景から、いかにオンライン上で効率的な調査を実施するかが課題となった。本チームではSlackやGoogleスプレッドシート、Internet Archive等の様々なウェブサービスを組み合わせることで継続的でスピード感のある調査を実現した。また、Google Apps Script等のスクリプト言語によるカスタマイズを行うことで、複数種類のサービスをシームレスに連携する試みも行った。
- 本発表では調査の過程で利用した様々なウェブサービスやスクリプト開発の実践報告を通じて、感染症などのような人と人との物理的交流が果たせない中での図書館の協働にICTがどのように役立つかの知見を紹介する。