「C4ljp2014/presentation」の版間の差分

提供:Code4Lib JAPAN
ナビゲーションに移動 検索に移動
 
(4人の利用者による、間の9版が非表示)
33行目: 33行目:
::現在進行中のカーリルHaikaプロジェクトの現状やコンセプトについて発表します。
::現在進行中のカーリルHaikaプロジェクトの現状やコンセプトについて発表します。


===<span id="tanabe">Next-L Enju 機関リポジトリモジュール(田辺 浩介)</span>===
===<span id="tanabe">[https://speakerdeck.com/nabeta/c4ljp-2014-enju-ir Next-L Enju 機関リポジトリモジュール](田辺 浩介)</span>===
::Next-L Enjuを機関リポジトリとして動作させるためのモジュールを開発しています。他の機関リポジトリ構築用ソフトウェアで広く利用されているFedoraCommonsと、人気のある全文検索ソフトウェアであるElasticsearchを、Next-L Enjuに組み込んで動作させます。この発表では開発中の動作デモと他のシステムとの連携の仕組み、既存のリポジトリ構築用ソフトウェアとの違いについて説明します。
::Next-L Enjuを機関リポジトリとして動作させるためのモジュールを開発しています。他の機関リポジトリ構築用ソフトウェアで広く利用されているFedoraCommonsと、人気のある全文検索ソフトウェアであるElasticsearchを、Next-L Enjuに組み込んで動作させます。この発表では開発中の動作デモと他のシステムとの連携の仕組み、既存のリポジトリ構築用ソフトウェアとの違いについて説明します。


40行目: 40行目:
::データカタログのためのソフトウェアの一つとして,Open Knowledge Foundation が開発しているCKANというオープンソースソフトウェアがある.CKANは世界中のデータカタログサイトで採用されているソフトウェアであり,日本においても日本政府のデータカタログサイト試行版をはじめとして,様々なサイトで既に利用されている.本発表では,CKANについての概要や日本における事例,また,CKANのカタログについての紹介をする.それにより,図書館関係者がオープンデータにおいて果たせる役割を考えたい.
::データカタログのためのソフトウェアの一つとして,Open Knowledge Foundation が開発しているCKANというオープンソースソフトウェアがある.CKANは世界中のデータカタログサイトで採用されているソフトウェアであり,日本においても日本政府のデータカタログサイト試行版をはじめとして,様々なサイトで既に利用されている.本発表では,CKANについての概要や日本における事例,また,CKANのカタログについての紹介をする.それにより,図書館関係者がオープンデータにおいて果たせる役割を考えたい.


===<span id="kiyota">ログデータの活用が進まない現状を打破するために: Wikipediaページ閲覧統計データを題材とした試み(清田 陽司)</span>===
===<span id="kiyota">[http://www.slideshare.net/ykiyota/wikipedia-38785013 ログデータの活用が進まない現状を打破するために: Wikipediaページ閲覧統計データを題材とした試み](清田 陽司)</span>===
::大規模なWeb情報サービスを展開する企業を中心として、いわゆるビッグデータの利用が進みつつあり、巨大なログデータを活用した事例も多数報告されている。しかし、これらの事例を実践できるのは、巨大なログデータへのアクセスが可能なエンジニア(多くの場合、企業の社員、あるいは企業と密接な関係をもつ大学の研究者など)に限られている。巨大なログデータの公開はほとんどなされておらず、AOLクエリーログやNetflixデータセットのように、公開によって深刻なプライバシー上の問題を引き起こすこともある。図書館分野においても、貸出履歴データやOPACのクエリーログの利用の可能性やリスクが議論されているものの、プライバシー上の懸念から、可能性やリスクを検証するためにデータ利用を試すことさえ難しい状況が続いている。しかし、Code4Libコミュニティにおいてログデータ利用のノウハウを蓄積していくことを目指すならば、多くのライブラリアンが同じログデータを共有することはいずれ避けては通れない。そこで、現状での貸出履歴データやクエリーログの共有が難しいことは認めつつ、まずは似た性質(大規模、時系列、解析によって有用な知識が発見できる)をもつログデータを共有し、ハンズオンなどの活動を通じてノウハウの共有も進めていく、という方向性を提案したい。具体的には、Wikipediaのページ閲覧統計データを題材とした時系列解析のノウハウを紹介する。
::大規模なWeb情報サービスを展開する企業を中心として、いわゆるビッグデータの利用が進みつつあり、巨大なログデータを活用した事例も多数報告されている。しかし、これらの事例を実践できるのは、巨大なログデータへのアクセスが可能なエンジニア(多くの場合、企業の社員、あるいは企業と密接な関係をもつ大学の研究者など)に限られている。巨大なログデータの公開はほとんどなされておらず、AOLクエリーログやNetflixデータセットのように、公開によって深刻なプライバシー上の問題を引き起こすこともある。図書館分野においても、貸出履歴データやOPACのクエリーログの利用の可能性やリスクが議論されているものの、プライバシー上の懸念から、可能性やリスクを検証するためにデータ利用を試すことさえ難しい状況が続いている。しかし、Code4Libコミュニティにおいてログデータ利用のノウハウを蓄積していくことを目指すならば、多くのライブラリアンが同じログデータを共有することはいずれ避けては通れない。そこで、現状での貸出履歴データやクエリーログの共有が難しいことは認めつつ、まずは似た性質(大規模、時系列、解析によって有用な知識が発見できる)をもつログデータを共有し、ハンズオンなどの活動を通じてノウハウの共有も進めていく、という方向性を提案したい。具体的には、Wikipediaのページ閲覧統計データを題材とした時系列解析のノウハウを紹介する。


81行目: 81行目:
* [https://www.facebook.com/OpenGLAMjp OpenGLAM JAPAN]
* [https://www.facebook.com/OpenGLAMjp OpenGLAM JAPAN]


===<span id="ono">遠隔地の図書館関係者のオープンオンラインディスカッションを実現する分散型会議中継システム(小野 永貴)</span>===
===<span id="ono">[http://www.slideshare.net/milkyalab/code4lib-japan2014-ono-haruki 遠隔地の図書館関係者のオープンオンラインディスカッションを実現する分散型会議中継システム](小野 永貴)</span>===
::図書館の向上には、図書館員や研究者による日常的な情報交換が欠かせない。特に、現場における実態を踏まえて実践的な学術研究を行ったり、研究成果を全国の現場実務へ円滑に反映していくためには、立場や場所を超えて広域的に協働で問題解決にあたる必要である。一方で、図書館の人的状況は非常勤雇用や人事異動も多く、さらに近年は研究者も任期付き採用が多い状況により、同じプロジェクトに携わっていた構成員が短期間で分散してしまう事態が多発する。このような状態は、継続的な図書館向上の取り組みを阻害し、図書館情報学領域の発展を停滞させうる要因と捉えることもできる。
::図書館の向上には、図書館員や研究者による日常的な情報交換が欠かせない。特に、現場における実態を踏まえて実践的な学術研究を行ったり、研究成果を全国の現場実務へ円滑に反映していくためには、立場や場所を超えて広域的に協働で問題解決にあたる必要である。一方で、図書館の人的状況は非常勤雇用や人事異動も多く、さらに近年は研究者も任期付き採用が多い状況により、同じプロジェクトに携わっていた構成員が短期間で分散してしまう事態が多発する。このような状態は、継続的な図書館向上の取り組みを阻害し、図書館情報学領域の発展を停滞させうる要因と捉えることもできる。
::このような課題を解決するために、筆者らは、日本各地に所在する図書館関係者が、遠隔地に居ながら定期的にディスカッションを行い、その内容を同期的・非同期的に関係他者へ発信できる会議システムの構築を試みた。構築にあたっては、図書館関係者に特化した議論の効率化のために、以下の4点を必要要件として検討した。
::このような課題を解決するために、筆者らは、日本各地に所在する図書館関係者が、遠隔地に居ながら定期的にディスカッションを行い、その内容を同期的・非同期的に関係他者へ発信できる会議システムの構築を試みた。構築にあたっては、図書館関係者に特化した議論の効率化のために、以下の4点を必要要件として検討した。
93行目: 93行目:
::「唐詩」は、中国唐代に作られた詩の総称である。日本の江戸時代には、多くの唐詩の本が刊行されていたし、今日の古文では、さけてはいけない文章にもなっている。一方の中国では、「唐詩」は、国語では、早くから取り入れられており、主にされてはとおれないものである。この文章の書籍の検索には、日本語と中国語の違いがあるが、その検索を活用できるメタデータを作り交互に参照できる仕組みを作り上げたい。メタデータには、Dublin Coreプロパティを利用し、RDFを作った相互の日本語と中国語の意味の連結をはかりたい。
::「唐詩」は、中国唐代に作られた詩の総称である。日本の江戸時代には、多くの唐詩の本が刊行されていたし、今日の古文では、さけてはいけない文章にもなっている。一方の中国では、「唐詩」は、国語では、早くから取り入れられており、主にされてはとおれないものである。この文章の書籍の検索には、日本語と中国語の違いがあるが、その検索を活用できるメタデータを作り交互に参照できる仕組みを作り上げたい。メタデータには、Dublin Coreプロパティを利用し、RDFを作った相互の日本語と中国語の意味の連結をはかりたい。


===<span id="maeda">[http://www.slideshare.net/genroku/ndc-raderNDC Rader ~日本語テキストの日本十進分類レーダーチャートによる可視化アプリケーション~](前田 朗)</span>===
===<span id="maeda">[http://www.slideshare.net/genroku/ndc-rader NDC Rader ~日本語テキストの日本十進分類レーダーチャートによる可視化アプリケーション~](前田 朗)</span>===
::日本語テキストの日本十進分類レーダーチャートによる可視化アプリケーション「NDC Rader」を開発した。発表ではその機能及び仕組みをデモにより紹介する。さらに、NDC Raderを拡張した和文雑誌タイトル同士の主題カバー範囲可視化機能と、その想定ユースケースについて示す。
::日本語テキストの日本十進分類レーダーチャートによる可視化アプリケーション「NDC Rader」を開発した。発表ではその機能及び仕組みをデモにより紹介する。さらに、NDC Raderを拡張した和文雑誌タイトル同士の主題カバー範囲可視化機能と、その想定ユースケースについて示す。
::「NDC Rader」は日本十進分類や国立国会図書館件名標目をベースとしているが、図書館業界に限らず、一般的な情報可視化ツールとして使用できる。この「NDC Rader」では図書館業界が長年育んできた資源の一般への活用ができないかの試みでもある。。機能としては、日本十進分類によるレーダーチャートを使うことで、ワードクラウドや多次元尺度構成法による可視化とはまた違った情報の把握しいやすさや、テキスト同士の比較のしやすさを狙っている。
::「NDC Rader」は日本十進分類や国立国会図書館件名標目をベースとしているが、図書館業界に限らず、一般的な情報可視化ツールとして使用できる。この「NDC Rader」では図書館業界が長年育んできた資源の一般への活用ができないかの試みでもある。。機能としては、日本十進分類によるレーダーチャートを使うことで、ワードクラウドや多次元尺度構成法による可視化とはまた違った情報の把握しいやすさや、テキスト同士の比較のしやすさを狙っている。
::「NDC Rader」のさらなる拡張として、和文雑誌のカバー範囲可視化用インターフェイスも作成した。これは利用者がブラウジングを行うための参考情報、雑誌の評価や雑誌の特色アピールといった利用を想定したものである。
::「NDC Rader」のさらなる拡張として、和文雑誌のカバー範囲可視化用インターフェイスも作成した。これは利用者がブラウジングを行うための参考情報、雑誌の評価や雑誌の特色アピールといった利用を想定したものである。


===<span id="takahashi">図書館ぶらり部ワークショップ@第100回図書館大会(高橋 徹)</span>===
===<span id="takahashi">[http://www.slideshare.net/slideshow/embed_code/38784524 図書館ぶらり部ワークショップ@第100回図書館大会](高橋 徹)</span>===
::第100回全国図書館大会の公募型分科会枠にて、デジタルマップ地域コミュニティをテーマにしたワークショップを開催します。「高遠ぶらり」「小布施ちずぶらり」といった図書館関係の地図アプリの事例紹介や、「神保町ちずぶらり」を用いたまち歩きワークショップ、そして持ち寄った地域のイラスト地図を実際にアプリしてみるワークショップを行います。
::第100回全国図書館大会の公募型分科会枠にて、デジタルマップ地域コミュニティをテーマにしたワークショップを開催します。「高遠ぶらり」「小布施ちずぶらり」といった図書館関係の地図アプリの事例紹介や、「神保町ちずぶらり」を用いたまち歩きワークショップ、そして持ち寄った地域のイラスト地図を実際にアプリしてみるワークショップを行います。


===<span id="m_tanabe">学術情報やソーシャルメディアのレコメンド&フィードバックをコアにした「できない大学生向け」の学習支援サービスの企画提案(田邊 稔)</span>===
===<span id="m_tanabe">[http://www.slideshare.net/MinoruTanabe/ss-38785408 学術情報やソーシャルメディアのレコメンド&フィードバックをコアにした「できない大学生向け」の学習支援サービスの企画提案](田邊 稔)</span>===
::大学の授業課題や目標設定、および大学生の習熟度・興味関心・学習態度等に沿って学術情報やソーシャルメディア等の情報を図書館が定期的に自動配信し、それがどれだけアウトプットに貢献できたかを自己評価し、グループメンバーやメンター等と共有するためのシステム(現在企画提案中)について概説する。当システムでは、大学図書館の情報収集&発信力を存分に活かし、一方的な情報発信に止まらないインタラクティブでノイズの少ない情報提供を実現する。特に、インプット~アウトカムのプロセスに注目し、学習態度等の行動観察データを記録したり、成績不振者が成績優秀者の学習プロセスを閲覧できるコミュニティ機能などを特徴とする。協調学習や反転学習、さらには就活にも応用可能な「大学生活における究極のおもてなしサービス」を目指す。
::大学の授業課題や目標設定、および大学生の習熟度・興味関心・学習態度等に沿って学術情報やソーシャルメディア等の情報を図書館が定期的に自動配信し、それがどれだけアウトプットに貢献できたかを自己評価し、グループメンバーやメンター等と共有するためのシステム(現在企画提案中)について概説する。当システムでは、大学図書館の情報収集&発信力を存分に活かし、一方的な情報発信に止まらないインタラクティブでノイズの少ない情報提供を実現する。特に、インプット~アウトカムのプロセスに注目し、学習態度等の行動観察データを記録したり、成績不振者が成績優秀者の学習プロセスを閲覧できるコミュニティ機能などを特徴とする。協調学習や反転学習、さらには就活にも応用可能な「大学生活における究極のおもてなしサービス」を目指す。

2014年9月8日 (月) 00:43時点における最新版

発表者の方へ 可能でしたら、発表資料(スライド等)へのリンクを以下のご自身の欄に追加ください。

[http://slideshare.com/code4libjp/example タイトル](氏名) のように書けばリンクが張れます。

基調講演[編集]

「文化資源のデジタル化とその課題」(福島 幸宏(京都府立総合資料館))[編集]

通常発表(7件)[編集]

司書が作るオープンデータ ~スマホアプリで京都の観光資源に~(是住 久美子)[編集]

京都府立図書館で働く職員の自己学習グループ「ししょまろはん」において、京都が出てくる小説やマンガ・ライトノベル等のデータを集め、地理情報やオススメ度などを付与し、オープンデータとして公開した。
すぐにこのデータを用いたスマートフォン用のアプリが作成され、小説等に出てくる場所を巡ることができるようになるなど、観光資源として活用されている。このような「ししょまろはん」の活動を紹介したい。

Drupalを活用したOpen Linked Dataの実践的試行環境の構築(林 賢紀)[編集]

Open Linked Dataの利活用が注目されているが、実際のサービスでどのように利用するか、また既存のWebサイト上の情報をどのようにLODとして扱うのかについての実践例は国内でも少ないところである。
一方、農業分野では、既存のCMSの一つであるDrupalを国際連合食糧農業機関(FAO)が中心となってカスタマイズし、RDFやOAI-PMH、またSPARQL Endpointを標準で取り扱えるようパッケージングされたAgriDrupalが情報共有のために用いられている。
そこで、このAgriDrupalを使用してデータ等の公開を行うWebサイトを試行的に構築したので、その概要を報告する。

図書館ひっこしらくらくキット』~配架計画支援アプリ『連番くん』及び書架棚見出し出力器『見出しちゃん』の作成による図書館の引っ越しに伴う作業の効率化~(石田 唯)[編集]

配架計画支援アプリ『連番くん』及び書架棚見出し出力器『見出しちゃん』の紹介。
[背景]
2012年、東京大学法学部では建物の耐震改修工事が完了したため、70数万冊の蔵書を新装成った図書室へ移転しなければならなかった。膨大な数の図書を運び出して、6フロアに及ぶ書庫に整然と配架し、再び利用者が使える図書室にするためには、綿密な配架計画が必須であった。70数万冊といえば段ボール詰めにして約7万箱。全ての箱に番号ラベルを貼付し、何番の箱をどの書架のどの段に入れるのか、将来的な増加分を見越してプランを立てる「配架計画」には、延べ4万段に及ぶ全て書架の立面図を作成し、各段に戻す図書の箱番号を振る作業が必要となり、かかる時間と労力は膨大なものになることが予想された。さらに箱に貼るラベルと行き先の棚に貼る指示ラベルの作成も必要であった。書架の側面には、その書架にどんな図書が配架されているかがわかるように見出しを付けるのだが、この必要枚数も650枚が見込まれた。そこで、配架計画支援アプリ『連番くん』及び書架棚見出し出力器『見出しちゃん』を作成した。
[機能]
『連番くん』では、EXCELシート上への本棚の作図、各段に見立てたセルへの自動連番付与、ラベル印字内容の自動取得及び適切な形式での出力が可能である。書架棚見出し出力器『見出しちゃん』では、配架されている分類の最初と最後、見出しの色を表形式で入力すると、見出し用紙に合わせた大きさ、デザインで出力する。あとはプリンタにお任せである。

配架図が変われば図書館が変わる~Haikaプロジェクトのコンセプト(吉本 龍司)[編集]

配架図とは「館内案内図」とも呼ばれ、資料(本や雑誌)が図書館のどこに置かれているかを示したものです。配架図を再利用しやすい構造化データとして扱うことで、様々な技術と組み合わせて本はもっと探しやすくなるはずです。そこで、カーリルではまず配架図を編集するエディタに取り組むことになりました。
現在進行中のカーリルHaikaプロジェクトの現状やコンセプトについて発表します。

Next-L Enju 機関リポジトリモジュール(田辺 浩介)[編集]

Next-L Enjuを機関リポジトリとして動作させるためのモジュールを開発しています。他の機関リポジトリ構築用ソフトウェアで広く利用されているFedoraCommonsと、人気のある全文検索ソフトウェアであるElasticsearchを、Next-L Enjuに組み込んで動作させます。この発表では開発中の動作デモと他のシステムとの連携の仕組み、既存のリポジトリ構築用ソフトウェアとの違いについて説明します。

データカタログソフトウェア CKAN(加藤 文彦)[編集]

誰もが自由にデータを利用・再利用・再配布できるようにWeb上に公開するオープンデータの動きが世界中で広がっている.日本でもここ数年で,地方自治体や政府を中心にオープンデータに取り組むところが増えてきている.オープンデータをより利用しやすくするためには,データの探索をより効率的にする等によって,目的のデータを発見しやすくすることが重要である.そのため,図書館におけるカタログと同じように,データのためのカタログを整備することが重要になってきている.
データカタログのためのソフトウェアの一つとして,Open Knowledge Foundation が開発しているCKANというオープンソースソフトウェアがある.CKANは世界中のデータカタログサイトで採用されているソフトウェアであり,日本においても日本政府のデータカタログサイト試行版をはじめとして,様々なサイトで既に利用されている.本発表では,CKANについての概要や日本における事例,また,CKANのカタログについての紹介をする.それにより,図書館関係者がオープンデータにおいて果たせる役割を考えたい.

ログデータの活用が進まない現状を打破するために: Wikipediaページ閲覧統計データを題材とした試み(清田 陽司)[編集]

大規模なWeb情報サービスを展開する企業を中心として、いわゆるビッグデータの利用が進みつつあり、巨大なログデータを活用した事例も多数報告されている。しかし、これらの事例を実践できるのは、巨大なログデータへのアクセスが可能なエンジニア(多くの場合、企業の社員、あるいは企業と密接な関係をもつ大学の研究者など)に限られている。巨大なログデータの公開はほとんどなされておらず、AOLクエリーログやNetflixデータセットのように、公開によって深刻なプライバシー上の問題を引き起こすこともある。図書館分野においても、貸出履歴データやOPACのクエリーログの利用の可能性やリスクが議論されているものの、プライバシー上の懸念から、可能性やリスクを検証するためにデータ利用を試すことさえ難しい状況が続いている。しかし、Code4Libコミュニティにおいてログデータ利用のノウハウを蓄積していくことを目指すならば、多くのライブラリアンが同じログデータを共有することはいずれ避けては通れない。そこで、現状での貸出履歴データやクエリーログの共有が難しいことは認めつつ、まずは似た性質(大規模、時系列、解析によって有用な知識が発見できる)をもつログデータを共有し、ハンズオンなどの活動を通じてノウハウの共有も進めていく、という方向性を提案したい。具体的には、Wikipediaのページ閲覧統計データを題材とした時系列解析のノウハウを紹介する。

ライトニングトーク(14件)[編集]

配架図エディタの応用的な使い方(出口 賢)[編集]

カーリルでは、図書館の配架図を作成できるエディタを開発中です。その開発過程で見つかった別の使い方についてお話しします。

移動図書館での車両情報管理(酒井 りな)[編集]

近年、国産自動車でも採用例が増えたOBD2(診断コネクタ)とスマートデバイスを組み合わせ、車速、走行距離、燃費などをロギングし、移動図書館の運用等に役立てられると思いついたので、OBD2について発表します。

図書館空席案内 sabota の裏っ側(福野 泰介)[編集]

鯖江の図書館にある11席のひとり机には空席状況を表すセンサーが設置され、その値はオープンデータとなっており、鯖江市役所JK課によって開発されたアプリ「sabota」を通じて、誰もがその状況を知ることができる。このアプリの舞台裏をご紹介。

NDL LabSearch Client のご紹介(常川 真央)[編集]

国立国会図書館が提供しているNDLラボサーチのユーザ・インターフェースを担う、オープンソースのクライアントJavaScriptソフトウェアであるNDL LabSearch Clientについて紹介する。そのうえで、これからの図書館システムのユーザ・インターフェス開発のあり方について述べる。

使ってみよう LOD!(福山 樹里)[編集]

Linked Open Data (LOD) の楽しい活用事例とともに、国立国会図書館が提供しているLODをご紹介します。

連想検索エンジンGETAssocを活用した「発見対象文書」×「ユーザーペルソナ」検索(藤原 剛)[編集]

2013年のLTで発表した「連想検索へのユーザー目的モデルの追加と,「連想ストーリー」のパッケージ化の試み(言語の経験空間の動的モデル化に向けて)」の経過報告を行う.
昨年発表の構想を整理し直すと次のようであった.【 連想検索にファセットナビゲーションを組み合わせる際,情報検索にあたってのユーザーの「目的」といった指向性を仮定し,それを,検索対象やターゲットとなる文書とは別に,連想検索の文書ファイル(プロファイル辞書)として作成する.これにより,ベクトル空間モデルで,連想計算用にインデクシングされる多次元空間には,ユーザーの目的軸ができ,ファセット検索に応用できる.また,動的(オートマトン的)にサジェストできる. 】
その後,制約等からファセットナビゲーションの実装に至らないでいるが,より簡易な方法としてユーザー「ペルソナ」を文書ファイル化し,これを,検索・発見対象の文書に掛け合わせてインデクシングをした.今回,取引先クライアントの好意により,実際のサービスサイトで簡易な実証実験を行う.

大学におけるプリントディスアビリティへの支援のために、クラウド型DAISY図書作成システムを利用する実験と検証(沖田 克夫)[編集]

昨年、東芝研究開発センター(RDC)が図書館向けに公開した、クラウド型DAISY図書作成システムであるDaisyRingsを利用することによって大学におけるプリントディスアビリティへの支援のしくみを構築することをめざす実践を行ってきた。その中間報告である
プリントディスアビリティへを支援するしくみとして、この構想に実用性があるのかないのかを確認すること、および実行に当たって準備と対応しなければならない諸条件の抽出のために、大学における図書館情報技術論の授業の一部としてmDAISY資料を作成させる予備実験と実験を行った。予備実験は2014年1月の2コマ。実験は2014年7月の2コマを当てた。予備実験は、一方で、大学のPC/ネットワーク環境と学生の構えについて、他方、東芝RDCについて、三者ともにDaisyRingsが実際に利用可能であると確認できた。続いて実験では、100名規模の受講生がはじめてDaisyRingsに取り掛かって手順を知り、使えるようになることおよび、約1時間の作業時間でどれほどの量のマルチメディアDAISY図書を作成できるのか、さらに、習得と作成過程にある問題点はどのようなものであるかを検証する。
実験結果は、期待以上の生産性を確認した。ただいま解析中。現行の制作ソフトであるSigutuna DAR 3JPおよびDolphin Publisher3.03などとの比較も行う。
さらに、大学内組織としての特別支援へのアプローチも実行中。

図書館司書課程授業におけるウェブサイト評価の実践の試み(古賀 崇)[編集]

発表者は2011年度より、図書館司書課程科目「図書館情報技術論」において、「辞書・事典や情報源リストに相当するウェブサイトの評価」を課題レポートのひとつに取り入れてきた。もっとも、評価対象とするウェブサイトの選定方法の変化(例:国立国会図書館「Dnavi」の消滅)など、この課題を進めるにあたり、現在も試行錯誤を続けている。今回の発表では発表者のささやかな経験や方法を来場者の皆さんと共有し、「冊子体からオンライン媒体へと変化しつつある情報源」に図書館員および一般人としてどう向き合い、情報源の評価・活用をどう進めればよいか、を考える一助としたい。

OpenGLAM JAPAN2年目の展開-活動方針と当面の活動計画(岡本 真)[編集]

設立2年目を迎えるOpenGLAM JAPANについて、活動方針と当面の活動計画を紹介します。

遠隔地の図書館関係者のオープンオンラインディスカッションを実現する分散型会議中継システム(小野 永貴)[編集]

図書館の向上には、図書館員や研究者による日常的な情報交換が欠かせない。特に、現場における実態を踏まえて実践的な学術研究を行ったり、研究成果を全国の現場実務へ円滑に反映していくためには、立場や場所を超えて広域的に協働で問題解決にあたる必要である。一方で、図書館の人的状況は非常勤雇用や人事異動も多く、さらに近年は研究者も任期付き採用が多い状況により、同じプロジェクトに携わっていた構成員が短期間で分散してしまう事態が多発する。このような状態は、継続的な図書館向上の取り組みを阻害し、図書館情報学領域の発展を停滞させうる要因と捉えることもできる。
このような課題を解決するために、筆者らは、日本各地に所在する図書館関係者が、遠隔地に居ながら定期的にディスカッションを行い、その内容を同期的・非同期的に関係他者へ発信できる会議システムの構築を試みた。構築にあたっては、図書館関係者に特化した議論の効率化のために、以下の4点を必要要件として検討した。
(1) 会議への低い参加コストによる定期性の確実な維持
(2) 会議傍聴者の同期的発話による参加感の促進
(3) 議論内容の透明性とアーカイブ性の両立
(4) 議論中における参考資料提示の容易性およびリンク性の確保
上記の観点で、複数のプラットフォームを比較検討して選定のうえ、不足機能を独自に開発することで、上記の要件を全て満たす配信システムの構築に成功した。また、当該配信システムを用い、3ヶ月以上の継続的な実証実験も行っている。今回の発表では、その検討過程および現在の運用状況を報告するとともに、Google+ハングアウトオンエア・YouTube Live・Ustreamを組み合わせた最終的な配信システムの技術的構成を解説したい。

[唐詩]の日中間のメタデータとそれらをつなぐ接続のRDFの作成(叢 艶)[編集]

「唐詩」は、中国唐代に作られた詩の総称である。日本の江戸時代には、多くの唐詩の本が刊行されていたし、今日の古文では、さけてはいけない文章にもなっている。一方の中国では、「唐詩」は、国語では、早くから取り入れられており、主にされてはとおれないものである。この文章の書籍の検索には、日本語と中国語の違いがあるが、その検索を活用できるメタデータを作り交互に参照できる仕組みを作り上げたい。メタデータには、Dublin Coreプロパティを利用し、RDFを作った相互の日本語と中国語の意味の連結をはかりたい。

NDC Rader ~日本語テキストの日本十進分類レーダーチャートによる可視化アプリケーション~(前田 朗)[編集]

日本語テキストの日本十進分類レーダーチャートによる可視化アプリケーション「NDC Rader」を開発した。発表ではその機能及び仕組みをデモにより紹介する。さらに、NDC Raderを拡張した和文雑誌タイトル同士の主題カバー範囲可視化機能と、その想定ユースケースについて示す。
「NDC Rader」は日本十進分類や国立国会図書館件名標目をベースとしているが、図書館業界に限らず、一般的な情報可視化ツールとして使用できる。この「NDC Rader」では図書館業界が長年育んできた資源の一般への活用ができないかの試みでもある。。機能としては、日本十進分類によるレーダーチャートを使うことで、ワードクラウドや多次元尺度構成法による可視化とはまた違った情報の把握しいやすさや、テキスト同士の比較のしやすさを狙っている。
「NDC Rader」のさらなる拡張として、和文雑誌のカバー範囲可視化用インターフェイスも作成した。これは利用者がブラウジングを行うための参考情報、雑誌の評価や雑誌の特色アピールといった利用を想定したものである。

図書館ぶらり部ワークショップ@第100回図書館大会(高橋 徹)[編集]

第100回全国図書館大会の公募型分科会枠にて、デジタルマップ地域コミュニティをテーマにしたワークショップを開催します。「高遠ぶらり」「小布施ちずぶらり」といった図書館関係の地図アプリの事例紹介や、「神保町ちずぶらり」を用いたまち歩きワークショップ、そして持ち寄った地域のイラスト地図を実際にアプリしてみるワークショップを行います。

学術情報やソーシャルメディアのレコメンド&フィードバックをコアにした「できない大学生向け」の学習支援サービスの企画提案(田邊 稔)[編集]

大学の授業課題や目標設定、および大学生の習熟度・興味関心・学習態度等に沿って学術情報やソーシャルメディア等の情報を図書館が定期的に自動配信し、それがどれだけアウトプットに貢献できたかを自己評価し、グループメンバーやメンター等と共有するためのシステム(現在企画提案中)について概説する。当システムでは、大学図書館の情報収集&発信力を存分に活かし、一方的な情報発信に止まらないインタラクティブでノイズの少ない情報提供を実現する。特に、インプット~アウトカムのプロセスに注目し、学習態度等の行動観察データを記録したり、成績不振者が成績優秀者の学習プロセスを閲覧できるコミュニティ機能などを特徴とする。協調学習や反転学習、さらには就活にも応用可能な「大学生活における究極のおもてなしサービス」を目指す。